2016年05月17日

ダイコン大根[Japanese Radish]

健胃作用がある「春の七草」
効能:消化促進(胃痛・胃もたれ・二日酔い)気管支炎の改善、ガン予防

コーカサスからパレスチナ原産のアブラナ科の一年生草本。学名「Raphanussativus L.」の「raphanus」は、ギリシヤ語の「raphanos」(容易に生える)からきているようです。日本にはインド、中国、朝鮮半島を経て1200年以上も前に伝播(でんぱ)。「古事記」(712年)や「日本書紀」(720年)にも記載があります。

「春の七草」のスズシロはダイコンのこと。「スズシロ」は「清白」(涼しいの意味)で、もともとは、女性の肌の美しさを言ったものです。「本朝食鑑」に「ダイコンには能く穀を消し(消化し、の意味)、痰を除き、吐血、鼻血を止め、めん類の毒を制し、魚肉の毒、酒毒、豆腐の毒を解する」とあります。

ダイコンは、デンプン分解酵素のジアスターゼ、タンパク分解酵素のステアーゼをはじめ、オキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素類やビタミンCを多量に含んでいるため、健胃作用があり、食中毒や二日酔いに大変効果的です。

特にオキシダーゼは焦げた魚にできる発ガン物質のベンツピレンを分解するため、胃ガン予防に役立ちます。ダイコンの辛味は、配糖体のシニグリンが分解されてイソ硫化シアンアリルができたためのもので、胃液の分泌を高め、消化を促し、お通じをよくする作用があります。

また、鉄とマグネシウムの含有量が多く、粘膜の病気を癒す作用もあるので、風邪、気管支炎の咳止めや去痰などに奏効します。食物繊維のリグニンが種々のガン細胞の発生を抑制することもわかっています。生のダイコンには、根も葉も体を冷やす作用がありますが、天火で干した切り干しダイコン、おでんにしたダイコン、干したダイコンを三杯酢に漬けたパリパリ漬けには、強力な保温効果があります。

民間療法

鼻血・・・ダイコン汁を脱脂綿につけて鼻の中に塗る。

咳・痰・声がれ・・・約50ccのおろし汁にハチミツや黒砂糖を加えて飲む。

扁桃腺炎・虫歯・打ち身・痒み(かゆみ)・・・生汁を患部に塗布すると痛みや痒みが軽減する。

冷え性・婦人病・貧血・神経痛・・・干し葉(乾燥させたダイコンの葉)を湯舟に入れて入浴する。



posted by mushk at 14:49| 薬になる野菜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月14日

セロリ[Celery]

血栓症の予防に「オランダ三つ葉」はいかが
効能:強壮・強精、貧血・肝臓病・血栓症の予防・改善
旬:冬〜春

地中海沿岸原産のセリ科の1年生または多年生草本。日本には、豊臣秀吉の朝鮮出兵(1592〜98年)の時、加藤清正が朝鮮から持ち帰ったため、「清正ニンジン」の別名があります。その後、江戸時代にオランダ人が長崎に持ち込んだ西洋種は「オランダ三つ葉」と呼ばれていましたが、特有の香りが日本人には合わなかったようです。

ヨーロッパでは古くから「薬草」として用いられており、古代ギリシャの医者は万能薬(利尿剤、解熱剤、胃薬、催淫剤など)として使用していました。ホメロスの「イーリアス」の中にも「英雄アキレウスが、セロリを使って馬の病気を治した」と書いてあります。

医聖ヒポクラテスも「神経が疲れたならセロリを薬とせよ」と言っています。確かに香りの成分のアピインに神経を鎮める効果があることがわかっています。

フランスには「男に対するセロリの効き目を知ったなら、女はセロリを探してパリからローマまでも行くだろう」とか「セロリの効き目を一度知ると、男は庭いっぱいセロリを植えまくるだろう」とかいう俗言があり、セロリの強壮・強精作用を示唆しています。

セロリはビタミンA・B1・B2・Cの他、赤血球の栄養となるマグネシウムや鉄を多く含むので、貧血の改善、美肌作り、生理不順や更年期障害にも効果的です。

また、含有成分のメチオニンは、肝臓の働きを強化します。セロリ、パセリ、ニンジン、セリなどセリ科の植物には、血栓を溶解し、血液をサラサラにするピラジンが含まれているので、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症に悩まされている現代日本人は、セリ科の植物を十分に摂るべきです。

民間療法

脳血栓・心筋梗塞・肝臓病・・・ニンジン、リンゴ、セロリの生ジュースを朝食代わりに毎日飲む。
「作り方」
ニンジン二本(約400g) → 240cc
リンゴー個(約150g) → 200cc
セロリ100g → 70cc
合計:510cc(コップ3杯弱)

冷え性・痛み・こり・・・刻んだ葉を直接、または布袋に詰めて湯舟に入れて入浴する。



posted by mushk at 23:36| 薬になる野菜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月22日

ショウガ(生姜)[Ginger]

稲作と共に渡来した「万病の妙薬」
効能:万病に効く(風邪、胃腸病、心臓病、高血圧、うつ病・・・)

熱帯アジア原産の、ショウガ科の多年草。日本には稲作と共に弥生時代に渡来しました。学名の「Zingiber officinale」の「officinale」は「薬用になる」という意味。私たちが用いている医療用漢方薬の70%以上にショウガが用いられており、「ショウガなしには漢方は成り立たない」と言われるほどです。

英語の「ginger」をある辞書で引いたところ、【名詞】ショウガ、意気、軒高、元気、【動詞】ショウガで
味付けする、活気づける、鼓舞する・・・とあり、例文として「There is no ginger in him.」という文章が掲載されており、「彼には気骨がない」と訳してありました。言葉は、その国の歴史、文化、習慣が入ってできることを考えると、イギリス人もショウガの効能を知っていたことになります。

16世紀頃に英国でペストが流行し、ロンドン市民の三分の一もが次々と死んだ時「ショウガを食べていた人は死ななかった」ことがわかり、当時の王、ヘンリー8世が、ロンドン市長に命じて「市民はショウガをしっかり食べるように」と奨励したというエピソードが残っています。

ショウガの薬効は、辛味成分のジングロン、ジングロール、ショウガオールや、芳香成分のジンギベロールなどの総合作用により醸し出されています。寿司には必ずショウガが添えてありますが、ジングロンやショウガオールには強力な殺菌作用があり、タネの魚介類による食あたりを防ぐ意味があります。また、寿司を食べすぎても案外胃腸を壊さないのは、ジングロンの健胃作用によるものと考えられます。

その他、ショウガの効能として、

  1. 発汗、解熱、去痰、保温作用

  2. 鎮痛作用

  3. 抗掻岸作用

  4. 鎮咳、鎮吐作用

  5. だ液、胃液、胆汁の分泌宜進作用(消化促進)

  6. 抗潰瘍作用

  7. 腸管内輸送促進作用(消化不良、ガス=腹部膨満時に効く)

  8. 強心作用

  9. 血圧低下(高血圧に対して)作用、血圧上昇(低血圧に対して)作用

  10. 血栓予防

  11. うつ病の改善

  12. めまいの予防・改善


などが、科学的に確かめられています。

ショウガには「意気、軒高、元気」の意味がありますが、科学的にも、全身の細胞の新陳代謝を先進させ、特に大脳や延髄の呼吸・循環中枢を剌激して、全身の機能を高め、気力、体力、免疫力を高める、という、まさに心身の万病の妙薬というところです。

民間療法

・魚や肉の中毒・・・ショウガのおろし汁を、おちょこ一杯飲む。

・風邪・冷え性・貧血・低血圧・胃腸病・・・ショウガ湯を飲む。
親指大の古ショウガをすりおろして、急須か紅茶こしの網を使って熱湯でこし、湯のみに7〜8分目の量を注ぎ、そこに適量のハチミツか黒砂糖を入れて、一日2〜3回(1〜2杯)飲む。

胃腸病(下痢、便秘、腹痛、腹鳴、吐き気など)・冷え性・風邪・気管支炎・・・梅醤番茶を飲む。

「梅醤番茶の作り方」

  1. 種子を取り去った梅干し一個を湯のみ茶碗に入れて、果肉を箸でよくつぶす。

  2. 次に@の中に醤油大さじ一杯を加えてよく練り合わせる。

  3. ショウガをすりおろして、布巾(ふきん)で搾ったものを5〜10滴落とす。

  4. 熱い番茶を注いで湯のみいっぱいにし、よくかき混ぜて飲む。


ショウガ湯の効果を上回るほど保温効果があり、痛みの病気や婦人病にも効果があります、一日1〜2回の飲用で大丈夫ですが、幼児や子供に与える場合には4〜5倍に薄めてください。

・痛み・腹水・喘息・むくみ・・・ショウガ湿布をする。

「ショウガ湿布の作り方と使い方」

  1. ショウガ約150gをおろし金ですりおろす。ショウガは新しいものでなく古いショウガがよい。

  2. おろしたショウガを木綿の袋に入れて上部をひもでくくる。木綿のハンカチなどにくるんで輪ゴムで留めてもよい。

  3. 水2リットルを入れた鍋にAを入れて、沸騰寸前まで火にかける。

  4. 鍋のショウガ湯が冷めないよう、とろ火で温め続ける。

  5. 70℃くらいのショウガ湯の中にタオルをひたして、あまり固くなくしぽり、このタオルを患部に当てる。

  6. そのままだとすぐ冷えるので、このタオルの上にビニールをかぶせておき、その上に乾いたタオルをのせる。

  7. 10分くらいしたら、また、タオルをショウガ湯につけてしぼり、再び患部に当てる。

  8. これを2〜3回くり返す。

  9. 痛みや症状がひどい時は、一日2〜3回やる。軽い時は1回でよい。

  10. ショウガ湯は火で温めなおして2〜3回使える。


このショウガ湿布をする前後1時間は、入浴するとピリピリするので要注意。こり、痛み、腹水、婦人病、膀胱炎、胃腸病、気管支炎や肺炎や喘息による咳など、あらゆる爽気に対して、著しい効果を発揮します。

ガンによる痛みで、モルヒネでも効かない患者にショウガ湿布を施すと、鎮痛効果のおかけでスヤスヤと眠ってしまう、ということもよく経験するほどです。

アトピー性皮膚炎にショウガ湿布をすると、はじめは皮膚にしみますが、2〜3日すると治癒が早くなります。アトピーにかかっている手をショウガ湯(約40〜42℃)の中に5分くらいつけても、効果があります。


posted by mushk at 12:00| 薬になる野菜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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